p152 / 顕浄土真実教文類一(教行信証・教)

顕浄土真実教文類一

愚禿釈親鸞集
 1謹んで浄土真宗を案ずるに、二種の回向あり。一つには往相、二つには還相なり。往相の回向について、真実の教行信証あり。
 2それ、真実の教を顕さば、すなわち『大無量寿経』これなり。
 3この経の大意は、弥陀、誓いを超発して、広く法蔵を開きて、凡小を哀れみて、選びて功徳の宝を施することをいたす。釈迦、世に出興して、道教を光闡して、群萠を拯い、恵むに真実の利をもってせんと欲してなり。4ここをもって、如来の本願を説きて、経の宗致とす。すなわち、仏の名号をもって、経の体とするなり。
 5何をもってか、出世の大事なりと知ることを得るとならば、
謹案浄土真宗有二種回向。一者往相、二者還相。就往相回向有真実教行信証。夫顕真実教者則大無量寿経是也。斯経大意者弥陀超発於誓広開法蔵致哀凡小選施功徳之宝釈迦出興於世光闡道教欲拯群萌恵以真実之利。是以説如来本願為経宗致即以仏名号為経体也。
何以得知出世大事。
 6『大無量寿経』に言わく、今日世尊、諸根悦予し姿色清浄にして、光顔魏魏とましますこと、明らかなる鏡、浄き影表裏に暢るがごとし。威容顕曜にして、超絶したまえること無量なり。未だかつて瞻覩せず、殊妙なること