5たまたま浄信を獲ば、この心顛倒せず、この心虚偽ならず。ここをもって極悪深重の衆生、大慶喜心を得、もろもろの聖尊の重愛を獲るなり。
 6至心信楽の本願の文、
博因大悲広慧力故。遇獲浄信者是心不顛倒、是心不虚偽。是以極悪深重衆生得大慶喜心、獲諸聖尊重愛也。
至心信楽本願文
 『大経』に言わく、設い我仏を得たらんに、十方の衆生、心を至し信楽して我が国に生まれんと欲うて、乃至十念せん。もし生まれざれば正覚を取らじと。ただ五逆と誹謗正法とを除く、と。已上
 7『無量寿如来会』に言わく、もし我無上覚を証得せん時、余仏の刹の中のもろもろの有情類、我が名を聞き已りて、所有の善根心心に回向せしむ。我が国に生まれんと願じて、乃至十念せん。もし生まれずは菩提を取らじと。ただ無間悪業を造り、正法およびもろもろの聖人を誹謗せんをば除く、と。已上
 8本願成就の文、『経』(大経)に言わく、諸有衆生、その名号を聞きて、信心歓喜せんこと、乃至一念せん。至心に回向せしめたまえり。かの国に生まれんと願ずれば、すなわち往生を得、不退転に住せん。ただ五逆と誹謗正法とをば除く、と。已上
 9『無量寿如来会』に言わく、他方の仏国の所有の有情、無量寿如来の名号を聞きて、よく一念浄信を発して歓喜せしめ、所有の善根回向したまえるを愛楽して、無量寿国に生まれんと願ぜば、願に随いてみな生まれ、不退転乃至無上正等菩提を得んと。五無間・誹謗正法および謗聖者を除く、と。已上
 10(大経)また言わく、法を聞きてよく忘れず、見て敬い得て大きに慶ばば、すなわち我が善き親友なり。このゆえに