顕浄土真仏土文類五

愚禿釈親鸞集
 1謹んで真仏土を案ずれば、仏はすなわちこれ不可思議光如来なり、土はまたこれ無量光明土なり。2しかればすなわち大悲の誓願に酬報するがゆえに、真の報仏土と曰うなり。3すでにして願います、すなわち光明・寿命の願これなり。
謹案真仏土者、仏者則是不可思議光如来、土者亦是無量光明土也。然則酬報大悲誓願故、曰真報仏土。既而有願、即光明寿命之願是也。
 4『大経』に言わく、設い我仏を得たらんに、光明よく限量ありて、下百千億那由他の諸仏の国を照らさざるに至らば、正覚を取らじ、と。
 5また願に言わく、設い我仏を得たらんに、寿命よく限量ありて、下百千億那由他の劫に至らば、正覚を取らじ、と。
 6願成就の文に言わく、仏阿難に告げたまわく、「無量寿仏の威神光明、最尊第一にして、諸仏の光明の及ぶことあたわざるところなり。乃至 このゆえに無量寿仏は、無量光仏・無辺光仏・無碍光仏・無対光仏・炎王光仏・清浄光仏・歓喜光仏・智慧光仏・不断光仏・難思光仏・無称光仏・超日月光仏と号す。それ衆生ありて、この光に遇う者は、三垢消滅し、身意柔軟なり。歓喜踊躍し、善心生ず。もし三塗懃苦の処にありて、この