阿修羅王・龍王・夜叉王・羅刹王・乾闥婆王・緊那羅王・迦楼羅王・摩睺羅伽王・鳩槃荼王・餓鬼王・毘舎遮王・富単那王・迦吒富単那王等において、ことごとく将に眷属としてここに大集せり。法を聞かんがためのゆえに。乃至、ここに娑婆仏土の所有のもろもろの菩薩摩訶薩等およびもろもろの声聞、一切余なく、ことごとくここに来集せり。聞法のためのゆえに。我いま、この所集の大衆のために甚深の仏法を顕示せしむ。また世間を護らんがためのゆえに、この閻浮提所集の鬼神をもって分布安置す。護持養育すべし、と。
 142その時に世尊、また娑婆世界の主、大梵天王に問うて言わく、「過去の諸仏、この四大天下をもって、かつて誰に付嘱して護持養育を作さしめたまうぞ」と。時に娑婆世界の主大梵天王言さく、「過去の諸仏、この四天下をもって、かつて我および憍尸迦に付嘱したまえりき。護持を作さしめて、我、失ありやいなや。己が名および帝釈の名を彰す。ただ諸余の天王および宿・曜・辰を称せしむ、護持養育すべし」と。その時に娑婆世界の主大梵天王および憍尸迦帝釈、仏足を頂礼してこの言を作さく、「大徳婆伽婆、大徳修伽陀、我いま過を謝すべし。我小児のごとくして、愚痴無智にして、如来の前にして、自ら称名せざらんや。大徳婆伽婆、唯願わくは容恕したまえ。大徳修伽陀、唯願わくは容恕したまえ。諸来の大衆、また願わくは容恕したまえ。我、境界において言説教令す。自在の処を得て護持養育すべし。乃至、もろもろの衆生をして善道に趣かしめんがゆえに、我等むかし鳩留孫仏のみもとにして、すでに教勅を受けたまわりて、乃至、三宝の種すでに熾然ならしむ。拘那含牟尼仏・迦葉仏の所にして、我教勅を受けたまわりしこと、またかくのごとし。三宝種においてすでに勤にして熾然ならしむ。地の精気、衆生の精気、正法の味、醍醐の精気、久しく住し増長