帝釈・大梵天、  余の天王を指示す。
時に、釈・梵王、  過を導師に謝して言わまく、
我等、王の処を所にして、  一切の悪を遮障し、
三宝の種を熾然ならしめ、  三精気を増長せん。
諸悪の朋を遮障して、  善の朋党を護持せしむ、と。已上抄出
 146『月蔵経』巻第七「諸魔得敬信品」第十に言わく、その時にまた百億の諸魔あり。ともに同時に座よりして起ちて、合掌して仏に向かいたてまつりて、仏足を頂礼して、仏に白して言さく、「世尊、我等また当に大勇猛を発して、仏の正法を護持し養育して、三宝の種を熾然ならしめて、久しく世間に住せしむ、いま地の精気、衆生の精気、法の精気、みなことごとく増長せしむべし。もし世尊声聞弟子ありて、法に住し法に順じて、三業相応して修行せば、我等みなことごとく護持し養育して、一切所須乏しきところなからしめん」と。乃至
この娑婆界にして、  初め賢劫に入りし時、
楼孫如来、  すでに四天を
帝釈・梵天王に嘱せしめて、  護持し養育せしむ。
三宝の種を熾燃ならしめ、  三精気を増長ならしめたまいき。
那含牟尼、  また四天下を
梵・釈・諸天王に嘱して、  護持し養育せしむ。