迦葉もまたかくのごとし、  すでに四天下を
梵・釈・護世王に嘱して、  行法の者を護持せしめき。
過去の諸仙衆、  および諸天仙、
星辰もろもろの宿曜、  また嘱し分布せしめき。
我五濁の世に出でて、  諸魔の怨を降伏して、
大集会を作して、  仏の正法を顕現せしむ。乃至
一切の諸天衆、  ことごとく共に仏に白して言さく、
我等、王の処を所にして、  みな正法を護持し、
三宝の種を熾燃ならしめ、  三精気を増長せしめんと。
もろもろの病疫、飢饉、  および闘諍を息めしむ、と。乃至略出
 147「提頭頼吒天王護持品」に云わく、仏の言わく、「日天子、月天子、汝我が法において護持し養育せば、汝長寿にしてもろもろの衰患なからしめん」と。その時にまた百億の提頭頼吒天王・百億の毘楼勒叉天王・百億の毘楼博叉天王・百億の毘沙門天王あり。彼等同時に、および眷属と、座より起ちて衣服を整理し、合掌し敬礼して、かくのごときの言を作さく、「大徳婆伽婆、我等おのおの己が天下にして、ねんごろに仏法を護持し養育を作さん。三宝の種、熾然として久しく住し、三種の精気みなことごとく増長せしめん」と。乃至
 「我いままた上首毘沙門天王と同心に、この閻浮提と北方の諸仏の法を護持す」と。已上略抄