煩悩成就のわれらが
 他力の信とのべたまう
18
尽十方の無碍光は
 無明のやみをてらしつつ
 一念歓喜するひとを
 かならず滅度にいたらしむ
19
無碍光の利益より
 威徳広大の信をえて
 かならず煩悩のこおりとけ
 すなわち菩提のみずとなる
20
罪障功徳の体となる
 こおりとみずのごとくにて
 こおりおおきにみずおおし
 さわりおおきに徳おおし
21
名号不思議の海水は
 逆謗の屍骸もとどまらず
 衆悪の万川帰しぬれば
 功徳のうしおに一味なり
22
尽十方無碍光の
 大悲大願の海水に
 煩悩の衆流帰しぬれば
 智慧にうしおに一味なり
23
安楽仏国に生ずるは
 畢竟成仏の道路にて
 無上の方便なりければ
 諸仏浄土をすすめけり
24
諸仏三業荘厳して
 畢竟平等なることは
 衆生虚誑の身口意を
 治せんがためとのべたまう
25
安楽仏国にいたるには
 無上宝珠の名号と
 真実信心ひとつにて
 無別道故とときたまう
26
如来清浄本願の
 無生の生なりければ
 本則三三の品なれど
 一二もかわることぞなき
27
無碍光如来の名号と
 かの光明智相とは
 無明長夜の闇を破し
 衆生の志願をみてたまう
28
不如実修行といえること
 鸞師釈してのたまわく
 一者信心あつからず
 若存若亡するゆえに
29
二者信心一ならず
 決定なきゆえなれば