とは、十人は十人ながら、百人は百人ながら、往生することにてそうろうなり。かかる人をやがて一向専修の念仏者とはもうすなり。おなじく念仏をしながら、ひとえに自力をたのみたるは、ゆゆしきひがごとにてそうろうなり。あなかしこあなかしこ。
  寛元四歳丙午三月十五日書之
            愚禿釈親鸞七十四歳