十に「作此觀者」より下「十一觀」に至る已來は、正しく觀の邪正を辨じ、總じて分齊を結することを明す。
十一に「觀此菩薩者」より已下は、正しく修觀の利益罪を除くこと多劫なることを明す。
十二に「作此觀者」より下「淨妙國土」に至る已來は、正しく總じて前の文を結し、重ねて後益を生ずることを明す。
十三に「此觀成」より已下は、正しく總じて二身を牒して觀成の相を辨ずることを明す。斯れ乃ち勢志威高くして、坐するに他國を搖がし、能く分身をして雲集せしめ、法を演べて生を利し、永く胞胎を絶ちて常に法界に遊ばしむ。
上來十三句の不同有りと雖も、廣く勢至觀を解し竟んぬ。
[一二、普觀]
十二に普觀の中に就て、亦先づ擧げ、次に辨じ、後に結す。即ち其の六有り。
一に「見此事時」より已下は、正しく前を牒し後を生ずることを明す。
二に「當起自心」より下「皆演妙法」に至る已來は、正しく心を凝らし觀に入りて、即ち常に自の往生の想を作すことを明す。即ち其の九有り。一には自ら生ずる想を明す。二には西に向ふ想を明す。三には華に坐する想を明す。四には華の合する想を明す。五には華の開くる想を明す。六には寶光來りて身を照らす想を明す。七には既に光照を蒙りて眼開くる想を作すことを明す。八には眼目既に開けて、佛・菩薩を見たてまつる想を作すことを明す。九には法を聞く想を明す。
三に「與十二部經合」より下「不失」に至る已來は、正しく定散に遺るること無く、心を守り常に憶することを明す。一には則ち觀心明淨なり。二には則ち諸惡生ぜず。内に法樂と相應し、外に則ち三邪の障無きに由てなり。
四に「見此事」より已下は觀成の益を明す。
五に「是爲」より下は、總じて結す。
六に「無量壽」より下「常來至此行人之所」に至る已來は、正しく重ねて能觀の人を擧げて、即ち彌陀等の三身護念の益を蒙ることを明す。斯れ乃ち羣生念を注めて西方の依正二嚴を見んと願ずれば、了了に常に眼に見るが如し。
上來六句の不同有りと雖も、