正念に西に歸して華含むと想へ、佛と莊嚴とを見るに説法の聲あり。復衆生有りて心に惑を帶して、眞の上境を縁ずるに成じ難からんことを恐れて、如來漸觀を開せしむることを致す。華池の丈六等の金形、變現の靈儀大小ありと雖も、物の時宜に應じて有情を度す。普く同生の知識等に勸む、專心に念佛して西に向かひて傾け。

又前の請の中に就て、初め日觀より下華座觀に至る已來は、總じて依報を明す。二に像觀より下雜想觀に至る已來は、總じて正報を明す。
上來依・正二報の不同有りと雖も、廣く定善一門の義を明し竟んぬ。


觀經正宗分定善義 卷第三