五に「生經七日」よりは、正しく第十門の中に、彼に到りて華の開と不開と異を爲すことを明す。
六に「遇觀世音」より下「成羅漢」に至る已來は、正しく第十一門の中の、華開已後の得益の不同を明す。即ち其の三有り。一には時を逕て已後、觀音・大勢に遇ふことを得ることを明す。二には既に二聖に逢ひたてまつりて妙法を聞くことを得ることを明す。三には一小劫を逕て已後、始めて羅漢を悟ることを明す。
七に「是名」より已下は、總じて結す。
上來七句の不同有りと雖も、廣く中品下生を解し竟んぬ。
讚じて云く。中輩は中行中根の人なり。一日齋戒して金蓮に處す。父母に孝養せるを廻向せしめ、爲に西方快樂の因と説く。佛聲聞衆と來り取りて、直に彌陀の華座の邊に到らしむ。百寶の華に籠りて七日を經、三品の蓮開けて小眞を證す。
上來三位の不同有りと雖も、總じて中輩一門の義を解し竟んぬ。
十六に下輩觀の善惡二行の文前に就て、料簡して即ち十一門と爲す。一には總じて告命を明す。二には其の位を辨定す。三には總じて有縁の生類を擧ぐ。四には三心を辨定して以て正因と爲す。五には機の堪と不堪とを簡ぶ。六には苦樂の二法を受くる不同を明す。七には修業の時節に延促異有ることを明す。八には所修の行を廻して所求の處に向かふことを明す。九には臨終の時、聖來りて迎接したまふ不同、去時の遲疾を明す。十には彼に到りて華開くる遲疾の不同を明す。十一には華開已後の得益に異有ることを明す。
上來十一門の不同有りと雖も、總じて下輩の三位を料簡し竟んぬ。
［下品上生釋］次に下品上生の位の中に就て、亦先づ擧げ、次に辨じ、後に結す。即ち其の九有り。
一に「佛告阿難」より已下は、正しく告命を明す。