千日の競ひ暉くに喩ふ。相好分明なり。譬へば衆星の夜朗らかなるが若し。跏趺正坐して、不背の相圓明なり。法界同じく歸して各々如來の面相を覩たてまつる。身心湛寂にして化用時機を失せず。隨類變通して報體則ち元來不動なり。但以みれば如來の智德之を嘆ずるに盡くし難し。 道場の衆等、各々慙謝の心を生ずべし。能く諸佛の我が爲に身を捨てしめたまふこと塵劫よりも過ぎたり。哀なるかな世尊、能く難事を爲して長劫に勤勤として疲勞の苦痛を忍びたまふ。復生の爲に苦行すと雖も小恩を覓めず、等しく塵勞を出で菩提に會して彼岸に歸せんことを望欲したまふ。衆等心を齊しくして今の施主某甲等の爲に、十方諸佛一切の世尊を請じ奉る。弟子等敬しく諸佛の境界を尋ぬるに、唯佛のみ能く國土の精華を知りたまへり、凡の測る所に非ず。三身の化用、皆淨土を立して以て群生を導く。法體殊なること無し。有識之に歸して悟を得。但凡夫の亂想寄託するに由無きが爲の故に、釋迦諸佛慈悲を捨てずして、直に西方十万億刹を指さしむ。國を極樂と名け佛を彌陀と號く。現に在まして説法したまふ。其の國淸淨にして四德の莊嚴を具せり。永く譏嫌を絶ち等しくして憂惱無し。人天善惡皆往生を得。彼に到りて殊なること無し、齊同不退なり。何の意か然るとならば、乃し彌陀の因地に、世饒王佛の所にして、位を捨てて家を出づ、即ち悲智の心を起して、廣く四十八願を弘めたまふに由てなり。佛願力を以て五逆と十惡と罪滅し生を得しむ。謗法闡提、廻心すれば皆往く。復韋提請致して娑婆を捨てんことを誓ひて、念念に遺るること無く決定して極樂に生ぜんことを求むるに因てなり。如來其の請に因るが故に、即ち定散兩門、三福九章を説きて、廣く未聞の益を作す。十方恆沙の諸佛、共に釋迦を讚じて舌を舒べて徧く三千に覆ひて、往生を得ることの謬に非ざることを證したまふ。是の如き等の諸佛世尊、慈悲を捨てずして、今の施主某甲及び衆生の請を受けて、此の道場に入りて、功德を證明したまへ。奉請し已んぬ、今勸む、