衆等心を回して皆往かんことを願じて、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。

 高下に接して讚じて云へ。 下高に接して讚じて云へ。

願はくは往生せん、願はくは往生せん。彼の佛因より苦行を行じ、勇猛專精にして退する時無し。一び坐して百劫・長時劫、作し難きを能く作して疲を生ぜず。自利利他同じく惡を斷ず。怨憎を捨てざるは大悲に由る。有識含靈皆普く化す。同因同行菩提に至る。誓願して淸淨の土を莊嚴し、見聞歡喜して無爲を證せん。衆等心を回して皆往かんことを願じて、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。

 下高に接して讚じて云へ。

願はくは往生せん、願はくは往生せん。彌陀の化主心に當りて坐す。華臺獨り迴して最も精爲り。百億の摩尼雜寶を間へたり。葉葉の莊嚴相自ら成る。正坐より已來十劫を經たり。心法界を縁じて慈光を照らす。光觸を蒙る者は塵勞滅し、臨終に佛を見たてまつりて西方に往く。彼に到り華開けて大會に入る。無明煩惱自然に亡じ、三明自然なるは佛願に乘ずればなり。須臾に合掌して神通を得。彼の佛の聲聞・菩薩衆は、塵沙のごとくして算數亦窮め難し。願はくは我今生に強ひて意を發して、畢命に彼の聖人の藂に往かん。衆等心を傾け往生を願じて、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。

 高下に接して讚じて云へ。 下高に接して讚じて云へ。

[轉經分 第八段]
 高座入文。

「又舍利弗、極樂國土には、衆生生ずる者、皆是阿鞞跋致なり。其の中に多く一生補處有り、其の數甚だ多し。