十指纖長にして、指間に網縵の相、甲赤銅の色を作せる相を想へ。又心を抽んで上に向ひて、次に佛の胸の前平滿の相を想へ、萬德の字朗然なり。次に腹平不現の相を想へ。次に臍圓孔深の相を想へ、光明内外に常に照らす。次に陰藏の相を想へ、平滿にして由し十五日の夜の月の如し、亦腹背の如く平處にして別無し。佛言く。若し男子・女人有りて、多く色を貪欲せん者は、即ち如來の陰藏の相を想へば、欲心即ち止みて罪障除滅し、無量の功德を得、諸佛歡喜し、天神鬼神好心もて影護して、長命安樂にして永く病痛なしと。次に兩つの膝、膝骨圓滿せりと想へ。次に二の脛鹿王の膞の如しと想へ。次に二の足跟象王の鼻の如しと想へ。次に二の足趺高くして龜王の背の如しと想へ。次に足の十指長くして指間に網縵あり、甲赤銅の色を作すと想へ。次に佛の結跏趺坐の相を想へ、左の足を右のの上に安きて外と齊しくし、右の足を左のの上に安きて外と齊しくせよ。次に二の足の下平かにして千輻輪有る相を想へ、輻輞具足して皆光明有りて徧く十方の刹を照らす。頂上より下足の千輻輪相に至る已来を、名けて具足して佛の色身莊嚴功德を觀ずと爲す、是を順觀と名く。又次に華座の法を想へ。次に華臺の相を想へ。次に華葉を想へ。葉葉相重りて八萬四千重なり。一一の葉の上に百億の寶王有りて莊嚴し、一一の寶の中に八萬四千の光明有りて、上佛身を照らすと想へ。次に寶華の莖八面にして、一一の方面に百千の衆寶もて莊嚴し、大光明を放ちて上下ともに照らすと想へ。次に華の莖下寶地に依り、地上の衆寶は皆八萬四千の光明を放つ、一一の光明は佛身を照らし及び十方の六道を照らすと想へ。亦一切の光明、行者の自身を照觸して來ると想へ。此の想を作す時、罪障を除滅し無量の功德を得。諸佛・菩薩歡喜し、天神・鬼神も亦喜び、日夜に身に隨ひて行者を影護す。行住坐臥に常に安穩を得、