汝等臭き屍を抱きて臥すること勿れ 種種の不淨を假に人と名く 重病を得つれば箭の體に入るが如し 衆の苦痛集まる安んぞ眠るべき

 後夜の偈に云く。『華嚴經』

時光遷りて流轉し 忽ちに五更の初に至りぬ 無常念念に至る
恒に死王と居す 諸の道を行ずる者に勸む 勤修して無餘に至れ

 平旦の偈に云く。『摩訶僧祗律』

寂滅の樂を求めんと欲はば 當に沙門の法を學すべし 衣食は身命を支ふ 精麤衆の得しめんに隨へ

諸衆生等、今日晨朝に各々六念を誦せよ

 日中の偈に云く。『尸迦羅衛經』

人生れて精進ならざれば 喩へば樹の根無きが若し 華を採りて日中に置くに 能く幾の時か鮮なることを得る
人の命も亦是の如し 無常は須臾の間なり 諸の行道の衆に勸む 勤修して乃ち眞に至れ

[初夜讚]
第二に沙門善導、謹みて『大經』に依て要文を採集して、以て禮讚の偈と爲す、二十四拜。初夜の時に當りて禮したてまつる。懺悔は前後に同じ。

南無して心を至し歸命して西方の阿彌陀佛を禮したてまつる。
彌陀の智願海は、深廣にして涯底無し、名を聞きて往生せんと欲へば、皆悉く彼の國に到る。願はくは諸の衆生と共に安樂國に往生せん。