一音もて演説したまふに機に隨ひて悟り願往生 各各悟に隨ひて眞元に到る無量樂
 般舟三昧樂願往生 釋迦如來の敎に隨順すべし無量樂
 佛敎多門にして八万四なり願往生 正しく衆生の機不同なるが爲なり無量樂
 安身常住の處を覓めんと欲はば願往生 先づ要行を求めて眞門に入れ無量樂
 門門不同なるを漸敎と名づく願往生 万劫苦行して無生を證す無量樂
 畢命を期と爲して專ら念佛すべし願往生 須臾に命斷ゆれば佛迎へ將ゐてまします無量樂
 一食の時尚間有り願往生 如何が万劫に貪瞋せざらん無量樂
 貪瞋は人天を受くる路を障ふ願往生 三惡・四趣の内に身を安んず無量樂
 彌陀安養國に到らむと欲はば願往生 念佛戒行必ず須く廻すべし無量樂
 戒行專精なれば諸佛讚めたまひ願往生 臨終に華座自ら來迎す無量樂
 一念の間に佛會に入りて願往生 三界六道永く名を除く無量樂
 三明六通皆自在なり願往生 畢竟不退にして無爲を證せん無量樂
 四種の威儀に常に佛を見願往生 手に香華を執りて常に供養したてまつる無量樂
 一念一時衆に隨ひて聽き願往生 百千の三昧自然に成ず無量樂