ここをもって寿終え、福応じて善道に昇ることを得、天上に上生してこの福楽を享く。積善の余慶に、今、人と為ることを得たり。たまたま王家に生まれて、自然に尊貴なり。儀容端正にして衆の敬事するところなり。妙衣珍膳、心に随いて服御す。宿福の追うところなるがゆえに能くこれを致す。」
仏、阿難に告げたまわく、「汝が言、是なり。計りみるに、帝王のごとき、人中の尊貴にして形色端正なりといえども、これを転輪聖王に比ぶるに甚だ鄙陋なりとす。猶しかの乞人の帝王の辺にあるがごとくなり。転輪聖王、威相殊妙にして天下に第一なれども、これを忉利天王に比ぶるに、また醜悪にして相喩うることを得ざること万億倍なり。たとい天帝を第六天王に比ぶるに、百千億倍相類せざるなり。たとい第六天王を無量寿仏国の菩薩・声聞に比ぶるに、光顔容色相及逮ばざること百千万億不可計倍なり。」
仏、阿難に告げたまわく、「無量寿国のもろもろの天人、衣服・飲食・華香・瓔珞・繒蓋・幢幡・微妙の音声・所居の舎宅・