知るべし。
向に遠離我心不貪着自身と遠離無安衆生心と遠離供養恭敬自身心を説きつ。この三種の法は、障菩提心を遠離するなり、知るべし。
向に無染清浄心と安清浄心と楽清浄心を説きつ。この三種の心は、略して一処にして妙楽勝真心を成就するなり。知るべし。
(第九・願事成就)かくのごとく菩薩、智恵心・方便心・無障心・勝真心をして、よく清浄の仏国土に生ず。知るべし。
これを、菩薩摩訶薩の随順五種の法門、所作意に随いて自在に成就せりと名づく。向の所説のごとき身業・口業・意業・智業・方便智業は、随順の法門なるがゆえに。
(第十・利行満足)また五種の門ありて漸次に五種の功徳を成就す。知るべし。何ものか五門。一つには近門、二つには大会衆門、三つには宅門、四つには屋門、五つには園林遊戯地門なり。
この五種の門は、初めの四種の門は入の功徳を成就す、第五門は出の功徳を成就せるなり。
入第一門とは、阿弥陀仏を礼拝したてまつりて、かの国に生まれんとするをもってのゆえに、安楽世界に生まるることを得、これを入第一門と名づく。
入第二門とは、阿弥陀仏を讃嘆したてまつりて、名義に随順し、如来の名を称し、如来の光明智相に依って修行するをもってのゆえに、大会衆の数に入ることを得、これを入第二門と名づく。
入第三門とは、一心に専念し作願して、かの国に生まれて奢摩他寂静三昧の行を修するをもってのゆえに、蓮華蔵世界に入ることを得、これを入第三門と名づく。
入第四門とは、かの妙荘厳を専念し観察して、毘婆舎那を修するをもってのゆえに、かの処に到ることを得て種種の法味楽を受用す、これを入第四門と名づく。
出第五門というは、大慈悲をもって一切苦悩の衆生を観察して、応化身を示して、生死の園・煩悩の林の中に回入して、神通に遊戯し教化地に