『称讃浄土経』に依る。
釈法照
如来の尊号は、はなはだ分明なり。 十方世界にあまねく流行せしむ。
ただ名を称するのみありて、みな往くことを得。 観音勢至自ずから来り迎えたまう。
弥陀の本願特に起殊せり。 慈悲方便して凡夫を引く。
一切衆生、みな度脱す。 名を称すればすなわち、罪、消除することを得。
凡夫、もし西方に到ることを得れば、 曠劫塵沙の罪消亡す。
六神通を具し自在を得。 永く老病を除き、無常を離る。
『仏本行経』に依る。
法照
何者をか、これを名づけて正法とする。 もし道理に箇らば、これ真宗なり。
好悪いまの時、須らく決択すべし。 一一に子細朦朧することなかれ。
正法よく世間を超出す。 持戒・座禅を正法と名づく。
念仏成仏はこれ真宗なり。 仏言を取らざるをば、外道と名づく。
因果を撥無する見を、空とす。 正法よく世間を超出す。
禅律いかんぞこれ正法ならん。 念仏三昧これ真宗なり。
性を見、心を了るは、すなわちこれ仏なり。 いかんが道理、相応せざらん。略抄