
「善本」とは如来の嘉名なり。この嘉名は万善円備せり、一切善法の本なり。かるがゆえに善本と曰うなり。
「徳本」とは如来の徳号なり。この徳号は、一声称念するに、至徳成満し、衆禍みな転ず、十方三世の徳号の本なり。かるがゆえに徳本と曰うなり。
しかればすなわち釈迦牟尼仏は、功徳蔵を開演して、十方濁世を勧化したまう。阿弥陀如来は、もと果遂の誓いを発して、諸有の群生海を悲引したまえり。
すでにして悲願います。「植諸徳本の願」と名づく、また「係念定生の願」と名づく、また「不果遂者の願」と名づく。また「至心回向の願」と名づくべきなり。