浄土の機縁熟すれば
 雨行大臣証として
 闍王逆悪興ぜしむ
9
定散諸機各別の
 自力の三心ひるがえし
 如来利他の信心に
 通入せんとねがうべし

  已上観経意

弥陀経意   五首
1
十方微塵世界の
 念仏の衆生をみそなわし
 摂取してすてざれば
 阿弥陀となづけたてまつる
2
恒沙塵数の如来は
 万行の少善きらいつつ
 名号不思議の信心を
 ひとしくひとえにすすめしむ
3
十方恒沙の諸仏は
 極難信ののりをとき
 五濁悪世のためにとて
 証誠護念せしめたり
4
諸仏の護念証誠は
 悲願成就のゆえなれば
 金剛心をえんひとは
 弥陀の大恩報ずべし
5
五濁悪時悪世界
 濁悪邪見の衆生には
 弥陀の名号あたえてぞ
 恒沙の諸仏すすめたる

  已上弥陀経意

諸経のこころによりて
弥陀和讃   九首
1
無明の大夜をあわれみて
 法身の光輪きわもなく
 無碍光仏としめしてぞ
 安養界に影現する
2
久遠実成阿弥陀仏
 五濁の凡愚をあわれみて
 釈迦牟尼仏としめしてぞ
 迦耶城には応現する
3
百千倶胝の劫をへて
 百千倶胝のしたをいだし
 したごと無量のこえをして
 弥陀をほめんになおつきじ
4
大聖易往とときたまう
 浄土をうたがう衆生をば