23
本願毀滅のともがらは
生盲闡提となづけたり
大地微塵劫をへて
ながく三途にしずむなり
24
西路を指授せしかども
自障障他せしほどに
曠劫已来もいたずらに
むなしくこそはすぎにけれ
25
弘誓のちからをかぶらずは
いずれのときにか娑婆をいでん
仏恩ふかくおもいつつ
つねに弥陀を念ずべし
26
娑婆永劫の苦をすてて
浄土無為を期すること
本師釈迦のちからなり
長時に慈恩を報ずべし
已上善導大師
源信大師 不釈文 十首
1
源信和尚ののたまわく
われこれ故仏とあらわれて
化縁すでにつきぬれば
本土にかえるとしめしけり
2
本師源信ねんごろに
一代仏教のそのなかに
念仏一門ひらきてぞ
濁世末代おしえける
3
霊山聴衆とおわしける
源信僧都のおしえには
報化二土をおしえてぞ
専雑の得失さだめたる
4
本師源信和尚は
懐感禅師の釈により
処胎経をひらきてぞ
懈慢界をばあらわせる
5
専修のひとをほむるには
千無一失とおしえたり
雑修のひとをきらうには
万不一生とのべたまう
6
報の浄土の往生は
おおからずとぞあらわせる
化土にうまるる衆生をば
すくなからずとおしえたり
7
男女貴賎ことごとく
弥陀の名号称するに
行住座臥もえらばれず
時処諸縁もさわりなし
8
煩悩にまなこさえられて