速に疾く超えて便ち安樂國の世界に到るべし 無量光明土に至りて 無數の佛を供養す 其れ億萬の佛に奉事し 飛び變化して諸國に遍じ 恭敬し已りて歡喜して去り 便ち須摩提に還る 是の功徳有るに非ざる人は 是の經の名を聞くことを得ず 唯淸淨に戒を有てる者 乃し此の正法を聞くに逮べり 曾更て世尊雄を見たてまつりて 則ち是の事を信ずることを得て 謙りて恭敬し聞きて奉行して 便ち踊躍して大に歡喜す 惡と驕慢と弊と懈怠のものは 以て此の法を信ずること難し 宿世の時佛を見たてまつる者 樂みて世尊の敎を聽聞せん 譬へば生れてより盲冥なる者 行きて人を開導することを得んと欲ふが如し 聲聞は悉く大乘に或ふ 何に況や俗凡の諸に於てをや 天中の天は意を相知る 聲聞は佛の行を了らず 辟支佛も亦是の如し 獨り正覺のみ乃し此を知る 一切をして悉く作佛せしめ 其の淨慧本空を智り 復此の億萬劫を過ぎて 佛智を計るとも能く及ぶこと無く 講議して説くこと無數劫にして 壽命を盡くすとも猶知らず 佛の慧は邊幅無し 是の如く淸淨の致を行ず 我が敎を奉じて乃し是を信ずること 唯此の人のみ能く解了す 佛の説きたまふ所皆能く受く 是則ち第一の證と爲す 人の命希に得べし 佛は世に在ませども甚だ値ひ難し 信慧有りて致るべからず 若し聞見せば精進して求めよ 是の法を聞きて忘れず 便ち見て敬ひ得て大に慶ばば 則ち我が善き親厚なり 是を以ての故に道意を發せよ 設令ひ世界に滿てらん火をも 此の中を過ぎて法を聞くことを得ば 會ず當に世尊と作りて將に一切生・老・死を度せんとすべし
佛阿難に語りたまはく。無量淸淨佛、諸の菩薩・阿羅漢の爲に經を説き竟るに、諸天・人民の中に未だ須陀洹道を得ざる者有れば則ち須陀洹道を得しめ、中に未だ斯陀含道を得ざる者有れば則ち斯陀含道を得しめ、中に未だ阿那含道を得ざる者有れば則ち阿那含道を得しめ、中に未だ阿羅漢道を得ざる者有れば則ち阿羅漢道を得しめ、