又舍利子、若し善男子或は善女人、無量壽の極樂世界、淸淨佛土の功徳莊嚴に於て、若しは已に發願し、若しは當に發願し、若しは今發願せんに、必ず是の如く十方面に住したまへる十殑伽沙の諸佛世尊の攝受したまふ所と爲る。説の如く行ぜん者は、一切定んで阿耨多羅三藐三菩提に於て退轉せざることを得、一切定んで無量壽佛の極樂世界、淸淨の佛土に生ぜん。是の故に舍利子、若し淨信有る諸の善男子或は善女人、一切皆應に無量壽極樂世界、淸淨の佛土に於て、深く心に信解し、發願して往生し、放逸を行ずること勿るべし。

又舍利子、我今、無量壽佛の極樂世界、不可思議佛土の功徳を稱揚し讃歎するが如く、彼の十方面の諸佛世尊も、亦我が不可思議無邊の功徳を稱讃して、皆是の言を作したまふ。甚だ奇希なり、釋迦寂靜・釋迦法王・如來・應・正等覺・明行・圓滿・善逝・世間解・無上・丈夫調御士・天人師・佛・世尊、乃し能く是の堪忍世界に於て、五濁惡時の所謂劫濁、諸の有情獨、諸の煩惱濁・見濁・命濁の中に於て、阿耨多羅三藐三菩提を證得し、諸の有情を方便し利益し安樂ならしめんと欲するが爲の故に、是の世間極難信の法を説きたまふ。是の故に舍利子、當に知るべし、我今此の雜染堪忍世界の五濁惡時に於て、阿耨多羅三藐三菩提を證得し、諸の有情を方便し利益し安樂ならしめんと欲するが爲の故に、是の世間極難信の法を説くこと、甚だ希有不可思議なりと爲す。

又舍利子、此の雜染堪忍世界の五濁惡時に於て、若し淨信有る諸の善男子或は善女人、是の如きの一切世間極難信の法を説きたまふを聞きて、能く信解を生じ、受持し演説して、敎の如く修行せば、當に知るべし、是の人は甚だ希有なりと爲す。無量佛の所にして、曾て善根を種う。是の人命終りて、定んで西方極樂世界に生じ、種種の功徳莊嚴淸淨佛土の大乘の法樂を受用し、日夜六時に、無量壽佛に親近し供養して、