是算數の能く之を知る所に非ず。但無量無邊阿僧祇劫を以て説くべし。舍利弗、衆生聞かん者は、當に發願して彼の國に生ぜんと願ずべし。所以は何ん、是の如き諸の上善人と倶に一處に會することを得ればなり。舍利弗、少善根福德の因縁を以て彼の國に生ずることを得べからず。」
下高に接して讚じて云へ。
願はくは往生せん、願はくは往生せん。釋迦如來身子に告げたまふは、即ち是普く苦の衆生に告げたまふなり。娑婆六道は安き處に非ず。冥冥たる長夜の闇の中を行く。聖化同居すれども相識らず。動もすれば瞋毒を生じて無明を鬪はしむ。此の無明の爲に六道に繁がれ、愛憎高下して何れの時にか平らかならん。既に善業の生死を排ふこと無し。貪に由て罪を造りて未だ心驚かず。此の人皮に裹める驢骨に狂かされて、三塗に自ら入りて爭ふべからず。我等之を聞きて心髓痛む。誓願して頓ちに世間の榮を捨てん。普く願はくは心を回して淨土に生ぜんとして、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。
高下に接して讚じて云へ。 下高に接して讚じて云へ。
願はくは往生せん、願はくは往生せん。娑婆は極めて苦にして生ずべき處に非ず、極樂は無爲にして實に是精なり。九品倶に回して不退を得よ。阿轉跋致は即ち無生なり。直初生の限極無きのみに非ず。十地已下も劫にも窮め難し。此の如きもの大海塵恆沙なり。有縁到れば其の中に入る。四種の威儀に常に佛を見たてまつり、行來進止神通に駕す。六識縱橫にして自然に悟り、未だ思量一念の功を藉らず。普く勸む同生の善知識、專心專注して西方に往け。衆等心を回して皆往かんことを願じて、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。
下高に接して讚じて云へ。