六方の諸佛信心を護念し、淨土の彌陀慈心もて攝受したまへ。又願はくは觀音聖衆駱驛として往來し、念念に遺るること無く、遙に加し普く備へて、春秋冬夏四大常に安く、罪滅し福成じて回して淨土に生ぜしめたまへ。又願はくは臨終に病無く正念堅強にして、聖衆來迎したまひ華臺普く集まりて、彌陀の光に照らされ、菩薩に身を扶けられん。化佛心を齊しくして同聲に等しく讚じ、臺に乘じて一念即ち西方に至りて、佛の尊顏を見たてまつりて無生忍を悟らん。仰ぎ願はくは往生の同行人等、此の如きの善を得なん。又願はくは此の功德 大唐の皇帝を資益したてまつり、福基永く固く、聖化窮まること無けん。又願はくは 皇后慈心平等にして、六宮を哀愍したまはん。又願はくは 皇太子恩を厚地に承けて、山岳の移る莫きに同じく、福命唐唐として滄波に類して盡きたまふこと無けん。又願はくは天曹・地府・閻羅・伺命、罪障を滅除して善名を注記せん。又願はくは脩羅戰諍を息め、餓鬼飢虚を除き、地獄と畜生と倶時に解脱を得ん。豎三界に通じ橫九居を括りて、等しく娑婆を出でて同じく淨土に歸せざること莫けん。
[後行分 七唱禮]
下座七禮を唱へよ。
本師釋迦牟尼佛等の一切の三寶に南無したてまつる。我今稽首して禮し、回して無量壽國に往生せんと願じたてまつる。
十方三世の盡虚空徧法界の微塵刹土中の一切の三寶に南無したてまつる。我今稽首して禮し、回して無量壽國に往生せんと願じたてまつる。
西方極樂世界の阿彌陀佛に南無したてまつる。願はくは諸の衆生と共に安樂國に往生せん。
西方極樂世界の觀世音菩薩摩訶薩に南無したてまつる。願はくは諸の衆生と共に安樂國に往生せん。