頭骨は雪色を作して内外明徹す。腦は玻瓈色の如し。次に腦に十四の脈あり、一一の脈に十四道の光有り、髮根の孔より外に出でて髮蠃を繞ること七帀して還毛端の孔の中より入ると想へ。次に前の光二の眉の毛根の孔のなかより出でて外に向かふと想へ。次に額廣くして平正なる相を想へ。次に眉高くして長き相を想へ、由し初月の如し。次に眉間の白毫相、卷きて眉間に有り、其の毛白く、外實内虚にして金色の光を出し、毛端よりして出でて直に自身を照らし來ると想へ。『觀佛三昧經』
(卷二意)に説くが如し。「若し人有りて一須臾の頃も、白毫相を觀ずれば、若しは見若しは不見、即ち九十六億那由他恆河沙微塵數劫の生死の重罪を除却す」と。常に此の想を作せば太だ障を除き罪を滅す。又無量の功德を得て、諸佛歡喜す。次に二の眼廣長にして、黑白分明なり、光明徹照すと想へ。次に鼻脩く高直なること、鑄たる金鋌の如しと想へ。次に面部平滿にして唱唊あることなしと想へ。次に耳輪垂腄して、孔に七毛有り、光毛内より出でて、徧く佛身を照らすと想へ。次に脣色赤好にして光明潤澤なりと想へ。次に齒白く齊密にして白きこと珂月の如くして内外映徹すと想へ。次に舌薄く廣長にして柔輭なりと想へ。舌根の下に二の道有り、津液注ぎて咽筒に入りて直に心王に入る。佛心は紅蓮華の如し、開して開せず、合して合せず。八万四千の葉有り、葉葉相重れり、一一の葉に八万四千の脈有り、一一の脈に八万四千の光有り、一一の光百寶の蓮華を作す。一一の華の上に一の十地の菩薩有り、身皆金色なり、手に香華を持して心王を供養し、異口同音に心王を歌讚す。行者等、此の想を作す時、罪障を除滅し、無量の功德を得。諸佛・菩薩歡喜し、天神・鬼神も歡喜す。又心を抽んで上に向かひて、次に咽項の圓相、二の肩の圓相を想へ。次に兩の臂
の圓相を想へ。次に二の手掌平滿せる、千輻輪の相、