一期の念 意亂るること勿れ 常に精進にして 歳に計ること勿れ 日に倦むこと勿れ 一念を立して 中忽すること勿れ 睡眠を除きて 其の意を精にせよ 常に獨り處して 聚會すること勿れ 惡人を避け 善友に近づき 明師に親しみて 視ること佛の如くせよ その志を執りて 常に柔弱なれ 平等を一切に觀ぜよ 鄕里を避け 親族を遠け 愛欲を棄てて 淸淨を履み 無爲を行じて 諸欲を斷じ 亂意を捨てて 定行を習ひ 文慧を學すること 必ず禪の如くせよ 三穢を除き 六入を去れ 婬色を絶ち 衆愛を離るべし 財を貪じて 多く畜積すること勿れ 食は足るを知りて 味を貪ること勿れ 衆生の命 愼みて食すること勿れ 衣は法の如くして 綺飾すること勿れ 調戲すること勿れ 憍慢すること勿れ 自大すること勿れ 貢高すること勿れ 若し經を説かば 當に法の如くすべし 身の本を了るに 由し幻の如し 陰を受くること勿れ 界に入ること勿れ 陰は賊の如し 四は蛇の如し 無常と爲し 怳忽と爲し 常の主無し 了るに本無なり 因縁もて會し 因縁もて散ず 悉く了るに是 本無なりと知る 慈哀を一切に加へて 貧窮に施し 不還に濟ふ 是を定と爲す 菩薩の行は 至要の慧 超衆の行なり

佛跋陀和に告げたまはく。是の行法を持てば便ち三昧を得、現在の諸佛悉く前に在まして立ちたまふ。其れ比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷、法の如く修行せば、持戒完具し、獨り一處に止りて西方の阿彌陀佛を念ずべし。今現に彼に在ます。所聞に隨ひて當に念ずべし。此を去ること十萬億の佛刹なり、其の國を須摩提と名く。一心に之を念ずること一日一夜、若しは七日七夜すべし。七日を過ぎ已りて後之を見たてまつらん。譬へば人の夢の中に見る所晝夜を知らず亦内外を知らざるは冥き中に在りて蔽礙する所有るに由るが故に見ざるにあらざるが如し。