此の如きの愚人は多く罪を造りて願往生　地獄を經歴して劫を窮むること無し無量樂
　臨終に忽に善知識の願往生　爲に妙法を説きて安穩ならしむるに遇はん無量樂
　刀風解くる時貪りて痛を忍び願往生　敎へて念佛せしむるに念ずること能はず無量樂
　善友告げて言はく專ら合掌して願往生　正念にして專ら無量壽と稱すべしと無量樂
　聲聲連注して十念を滿たしむるに願往生　念念に五逆の障を消除す無量樂
　謗法・闡提十惡を行ずるものも願往生　迴心念佛すれば罪皆除こる無量樂
　病者の身心覺して醒悟すれば願往生　眼前に即ち金華の現ずる有り無量樂
　金華の光明行者を照らす願往生　身心歡喜して華臺に上る無量樂
　華に乘じて一念に佛國に至り願往生　直に大會佛前の池に入る無量樂
　殘殃未だ盡きず華中に合す願往生　十二劫の後に始めて華開く無量樂
　華内に坐せる時に微苦無し願往生　色界三禪の樂に超過せり無量樂
　般舟三昧樂願往生　地獄に入るを勉れて金蓮に坐せよ無量樂
　寧ろ金華を合して百千劫なりとも願往生　地獄の須臾の間に能たへず無量樂
　觀音・大勢慈光もて照らし願往生　徐徐に爲に安心の法を説きたまふ無量樂