南無不可思議光」已上略抄也
『十住毘婆娑論』(易行品)
「自在人 我礼 清浄人 帰命
無量徳 称讃」  已上

讃阿弥陀仏偈和讃

        愚禿親鸞作
南無阿弥陀仏

1
弥陀成仏のこのかたは
 いまに十劫をへたまえり
 法身の光輪きわもなく
 世の盲冥をてらすなり
2
智慧の光明はかりなし
 有量の諸相ことごとく
 光暁かぶらぬものはなし
 真実明に帰命せよ
3
解脱の光輪きわもなし
 光触かぶるものはみな
 有無をはなるとのべたまう
 平等覚に帰命せよ
4
光雲無碍如虚空
 一切の有碍にさわりなし
 光沢かぶらぬものぞなき
 難思議を帰命せよ
5
清浄光明ならびなし
 遇斯光のゆえなれば
 一切の業繫ものぞこりぬ
 畢竟依を帰命せよ
6
仏光照曜最第一
 光炎王仏となづけたり
 三塗の黒闇ひらくなり
 大応供を帰命せよ
7
道光明朗超絶せり
 清浄光仏ともうすなり
 ひとたび光照かぶるもの
 業垢をのぞき解脱をう
8
慈光はるかにかぶらしめ
 ひかりのいたるところには
 法喜をうとぞのべたまう
 大安慰を帰命せよ
9
無明の闇を破するゆえ
 智慧光仏となづけたり
 一切諸仏三乗衆
 ともに嘆誉したまえり
10
光明てらしてたえざれば
 不断光仏となづけたり
 聞光力のゆえなれば
 心不断にて往生す