これをみん人、さだめてあざけりをなさんか。しかれども、信謗ともに因として、みな、まさに浄土にうまるべし。今生ゆめのうちのちぎりをしるべとして、来世さとりのまえの縁をむすばんとなり。われおくれば人にみちびかれ、われさきだたば人をみちびかん。生生に善友となりて、たがいに仏道を修せしめ、世世に知識として、ともに迷執をたたん。
 本師釈迦尊 悲母弥陀仏
 左辺観世音 右辺大勢至
 清浄大海衆 法界三宝海
 証明一心念 哀愍共聴許

   草本云
     承久三歳仲秋中旬第四日
       安居院法印聖覚作
    寛喜二歳仲夏下旬第五日 以彼草本真筆
                    愚禿釈親鸞書写之