尚百千億萬倍爲るは是四天下の星なり。佛言はく。天下の大海の水の如きは、一渧水を減じ去らば、寧ろ能く海水をして爲に減ぜしむるやいなや。阿逸菩薩言く。大海水百千億萬斗石の水を減ずとも、尚復海をして減じて少ならしむること能はず。佛言はく。阿彌陀佛國の諸の阿羅漢の中に、般泥洹し去る者有りと雖も、是の大海の一小水を減ずるが如きのみ。諸在の阿羅漢をして爲に減じて少なりと知らしむること能はざるなり。佛言はく。大海水の一溪水を減ぜば、寧ろ能く海水を減ぜんやいなや。阿逸菩薩言く。大海の百千萬億の溪水を減ずとも、尚復海水を減じて減じて少なりと知らしむること能はず。佛言はく。阿彌陀佛國は諸の阿羅漢の中に、般泥曰して去る者有らんも、是の大海の一溪水を減ずるが如きのみ。諸在の阿羅漢を減じて爲に減じて少なりと知ること能はず。佛言はく。大海一恒水を減ぜば、寧ろ能く海水を減ぜんやいなや。阿逸菩薩言く。大海水の百千萬億の恒水を減ずとも、尚復大海水を減じて減じて少なりと知らしむること能はず。佛言はく。阿彌陀佛國の諸の阿羅漢、般泥曰して去る者無央數なり、其の在る者の新に阿羅漢を得る者も亦無央數なり、都て増減を爲さず。佛言はく。天下の諸水をして都て流行して大海の中に入れしめんに、寧ろ能く海水をして増多爲らしむるやいなや。阿逸菩薩言く。海水をして増多ならしむること能はざるなり。所以は何ん、是の大海は天下の諸水衆善の中の王なり、故に能く爾るのみ。佛言はく。無量淸淨佛國も亦是の如し。悉く八方・上下の無央數の佛國の無央數の諸天・人民・蜎飛・蠕動の類をして、都て無量淸淨佛國に往生せしめんに、其の輩甚大衆多にして復計ふべからざれども、無量淸淨佛國の諸の菩薩・阿羅漢、衆の比丘僧は、都て常の如く一法にして異に増多を爲さざるなり。所以は何ん、無量淸淨佛國は、最も快くして八方・上下、無央數の諸佛國の中の衆の菩薩の中の王爲ればなり。無量淸淨佛國は、諸の無央數の佛國の中の雄國爲ればなり。無量淸淨佛國は、諸の無央數の佛國の中の珍寶爲ればなり。無量淸淨佛國は、諸の無央數の佛國の中の極長久爲ればなり。無量淸淨佛國は、諸の無央數の佛國の衆傑爲ればなり。無量淸淨佛國は、諸の無央數の佛國の中の廣大爲ればなり。