復五種の門有て漸次に五種の功德を成就すと、知るべし。何者か五門。一には近門、二には大會衆門、三には宅門、四には屋門、五には薗林遊戲地門なり。
此の五種は入出の次第の相を示現したまふなり。入相の中に初に淨土に至る、是近相なり。謂く大乘正定聚に入る、阿耨多羅三藐三菩提に近づくなり。淨土に入り已れば便ち如來の大會衆の數に入るなり。衆の數に入り已て當に修行安心の宅に至るべし。宅に入已ば、當に修行所居の屋寓 犬擧反 に至るべし。修行成就し已て當に敎化地に至るべし。敎化地は即ち是菩薩の自娯樂の地なり。是の故に出門を薗林遊戲地門と稱すと。
此の五種の門は、初の四種の門は、入の功德を成就す。第五門は出の功德を成就せるなり。
此の入出の功德は何者か是れや。釋に言ふ、
入第一門とは、阿彌陀佛を礼拜し、彼の國に生爲するを以の故に安樂世界に生を得、是を入第一門と名く。
佛を礼して佛國に生と願ず、是は初の功德の相なり。
入第二門とは、阿彌陀佛を讃嘆したてまつりて名義に隨順して如來の名を稱し如來の光明智相に依て修行するを以ての故に大會衆の數に入ることを得、是を入第二門と名く。
如來の名義に依て讃嘆する、是れ第二の功德相なり。
入第三門とは、一心に專念し作願してに彼の國に生じて奢摩他寂靜三昧の行を修するを以ての故に蓮華藏世界に入ることを得、