南無して心を至し帰命して西方の阿彌陀佛を禮したてまつる。
又觀世音・大勢至は 諸の聖衆に於て最も第一なり 慈光大千界を照曜し 佛の左右に侍して神儀を顯す 諸の有縁を度して暫くも息まざること 大海の潮の時を失せざるが如し 是の如き大悲・大勢至を 一心に稽首し頭面に禮したてまつる
願はくは諸の衆生と共に安樂國に往生せん。

南無して心を至し帰命して西方の阿彌陀佛を禮したてまつる。
其れ衆生有りて安樂に生ずれば 悉く三十有二相を具す 智慧滿足して深法に入る 道要を究暢して障礙無し 根の利鈍に隨ひて忍を成就す 二忍乃至不可計なり 宿命五通常に自在にして 佛に至るまで雜惡趣に更らず 佗方の五濁の世に生れて 示現して同じく大牟尼のごとくならんをば除く 安樂國に生ずれば大利を成ず 是の故に心を至して頭面に禮したてまつる
願はくは諸の衆生と共に安樂國に往生せん。

南無して心を至し帰命して西方の阿彌陀佛を禮したてまつる。
安樂の菩薩佛の神を承けて 一食の頃に於て十方に詣る 筭數すべからざる佛世界にして 諸の如來を恭敬し供養したてまつる 華・香・伎樂念に從ひて現じ 寶蓋・幢幡意に隨ひて出づ 珍奇世に絶し能く名づくること無し 散華して殊異の寶を供養したてまつる 化して華蓋と成り光晃耀し 香氣普く薰じて周からざる莫し 華蓋の小なる者も四百里なり 乃し遍く一佛界を覆ふ有り 其の前後に隨ひて次をもて化して去る 是の諸の菩薩僉欣悅す 虚空の中に於て天の樂を奏す 雅讚・德頌し佛慧を揚ぐ 經法を聽受して供養し已れば 未だ食せざる前に虚に騰りて還る 神力自在にして測るべからず 故に我無上尊を頂禮したてまつる