都て大海に會するが如し。世間も亦爾なり。豪貴・富樂自在なること有りと雖も、悉く生・老・病・死を免るることを得ず。只佛經を信ぜざるに由て、後世に人と爲りて更に甚だ困劇して千佛の國土に生ずることを得ること能はず。是の故に我説かく、無量壽佛國は往き易く取り易くして人修行して往生すること能はず。反て九十五種の邪道に事ふ。我是の人を説きて眼無き人と名く、耳無き人と名く」と。經敎既に爾なり。何ぞ難を捨てて易行道に依らざらんや。

安樂集卷上