是の語を説き已りて然る後に釋迦文佛に問訊す。問訊し訖已りて各々本國に還りたまひぬ」と。
[第六大門]
第六大門の中に三番の料簡有り。第一に十方淨土共に來して比挍す。第二に義推す。第三に經の住滅を辨ず。
[第六大門 一、十方西方比挍]
第一に十方淨土共に來して比挍すとは、其の三番有り。 一には『隨願往生經』(灌頂經卷一一意)に云ふが如し。「十方佛國皆悉く嚴淨なり。願に隨ひて竝びに往生することを得。然りと雖も悉く西方の無量壽國には如かず。何の意をもてか此の如くなる。但阿彌陀佛觀音・大勢至と先に發心したまひし時此の界より去りたまひ、此の衆生に於て偏に是縁有り。是の故に釋迦處處に歎歸したまふ」と。 二には『大經』(卷上意)に據るに、「法藏菩薩因中に世饒王佛の所に於て具に弘願を發して諸の淨土を取りたまふ。時に佛爲に二百一十億の諸佛刹土の天人の善惡、國土の精麤を説きて、悉く現じて之を與へたまふ。時に法藏菩薩願じて西方を取りて成佛したまふ。今現に彼に在ます」と。是二の證なり。 三には此の『觀經』の中に依るに、「韋提夫人復淨土を請ふ、如來光臺に爲に十方一切の淨土を現じたまふ。韋提夫人佛に白して言さく。此の諸佛の土復淸淨にして皆光明有りと雖も、我今極樂世界の阿彌陀佛の所に生ぜんことを樂ふ」(取意)と。是其の三の證なり。故に知んぬ、諸の淨土の中に安樂世界は最勝なりと。
[第六大門 二、義推]
第二に義推すとは、 問て曰く。何が故に要ず面を西に向けて坐禮念觀することを須ふるや。答て曰く。閻浮提には日出の處をば生と名け沒する處をば死と名づくと云ふを以て、死地に藉れば神明の趣入其の相助便なり。是の故に法藏菩薩願じて成佛し西に在りて衆生を悲接したまふ。