十には正念にして若し無上道に於て誹謗の心を起さず精進にして淨戒を持ち、復無智の者を敎へて是の經法を流布し、無量の衆生を敎化す。是の如き諸の人等は悉く皆往生することを得。爾の時會中に一の菩薩有り、山海慧と名く。佛に白して言さく。世尊、彼の阿彌陀國に何なる妙樂勝事有りてか、一切衆生皆彼に往生せんと願ずるや。佛、山海慧菩薩に告げたまはく。汝今當に起立し合掌して身を正しくし西に向ひて正念にして阿彌陀佛國を觀じ阿彌陀佛を見たてまつらんと願ずべし。爾の時一切の大衆亦皆起立し合掌して共に阿彌陀佛を觀ず。爾の時阿彌陀佛大神通を現じて大光明を放ち山海慧菩薩の身を照らしたまふ。爾の時山海慧菩薩等、即ち阿彌陀佛の國土の所有莊嚴妙好の事を見たてまつるに、皆悉く七寶なり。七寶の山、七寶の國土なり。水鳥・樹林常に法音を吐き、彼の國には日日に常に法輪を轉ず。彼の國の人民外事を習はず正しく内事を習ふ。口に方等の語を説き、耳に方等の聲を聽き、心に方等の義を解る。爾の時山海慧菩薩、佛に白して言さく、世尊、我等今彼の國を覩見するに勝妙の利益不可思議なり。我今願はくは一切衆生をして悉く皆往生せしめん、然して後に我等も亦彼の國に生ぜんことを願ふ。佛之を記して曰く。正觀正念にして正解脱を得て皆悉く彼に生ぜん。若し善男子・善女人有りて是の經を正信し是の經を愛樂して衆生を勸導せば、説者も聽者も悉く皆阿彌陀佛國に往生せん。若し是の如き等の人有らば、我今日より常に二十五菩薩を使はして是の人を護持して常に是の人をして病無く惱無からしめん。若しは人若しは非人、其の便を得しめず。行住坐臥晝夜を問ふこと無く常に安穩なることを得しめん。山海慧菩薩、佛に白して言さく。世尊、我今尊敎を頂受して敢て疑ふこと有らず。然るに世に衆生有り、多く誹謗して是の經を信ぜざること有らん。是の如きの人後に於て云何。佛、