久しからざる間に、即ち定心を得ん。既に定心を得つれば、彼の諸の莊嚴一切顯現す。應に知るべし。
十に「了了」より下は、觀成の相を辨ず。
十一に「華葉小者」より下「徧覆地上」に至る已來は、正しく葉葉に種種の莊嚴有ることを明す。即ち其の六有り。一には華葉の大小を明す。二には華葉の多少を明す。三には葉間の珠映の多少を明す。四には珠に千光有ることを明す。五には一一の珠の光變じて寶盇と成ることを明す。六には寶盇、上虚空を照らし、下寶地を覆ふことを明す。
十二に「釋迦毘楞伽」より下「以爲交飾」に至る已來は、正しく臺上の莊嚴の相を明す。
十三に「於其臺上」より下「玅寶珠以爲映飾」に至る已來は、正しく幢上の莊嚴の相を明す。即ち其の四有り。一には臺上に自ら四幢有ることを明す。二には幢の體量の大小を明す。三には幢上に自ら寶幔有り、状天宮に似たることを明す。四には幢上に自ら衆多の寶珠有り、輝光映飾することを明す。
十四に「一一寶珠」より下「施作佛事」に至る已來は、正しく珠光不思議の德用の相有ることを明す。即ち其の五有り。一には一一の珠に多の光有ることを明す。二には一一の光各々異色を作すことを明す。三には一一の光色寶土に徧ずることを明す。四には光の至る所處各々異種の莊嚴を作すことを明す。五には或は金臺・珠網・華雲・寶樂と作りて、十方に徧滿することを明す。
十五に「是爲」より下は、總じて觀の名を結す。
十六に「佛告阿難」より下「比丘願力所成」に至る已來は、正しく華座得成の所由を明す。
十七に「若欲念彼佛者」より下「自見面像」に至る已來は、正しく重ねて觀の儀を顯すことを明す。前の如く次第に心を住せしめて、雜亂することを得ざれ。
十八に「此想成者」より下「生極樂世界」に至る已來は、正しく觀成の相を結することを明す。即ち二の益有り。