十方の人天生ずることを得る者は、各々一箇に坐して眞常を聽く。是の故に彼の國を極樂と名く。衆等華を持して來りて供養したてまつれ。

 高下に接して讚じて云へ。 下高に接して讚じて云へ。

[轉經分 第五段]
 高座入文。

「又舍利弗、彼の佛國土には、常に天樂を作す。黄金を地と爲し、晝夜六時に曼陀羅華を雨らす。其の國の衆生、常に淸旦を以て、各々衣裓を以て、衆の妙華を盛り、他方十万億の佛を供養したてまつる。即ち食時を以て本國に還り到りて、飯食し經行す。舍利弗、極樂國土には、是の如き功德莊嚴を成就せり。」

 下高に接して讚じて云へ。

願はくは往生せん、願はくは往生せん。彌陀佛國は最も勝爲り。廣大寬平にして實に是精なり。天樂音聲常に徧滿す。黄金を地と爲し奇珍を間へたり。晝夜六時に華自ら散ず。法音常に説きて自然に聞く。彼の國の衆生は更に事無し。衣裓に華を盛りて十方に詣す。一一に親承して供養を修するに、塵勞垢習永く消亡す。種種に心に隨ひ皆意に稱ひて、利益せずといふこと無し。是眞にして常なり、欻爾に飛騰して本國に還り、飯食して七寶の臺に經行す。衆等心を傾けて、皆往かんことを願じて、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。

 高下に接して讚じて云へ。 下高に接して讚じて云へ。

[轉經分 第六段]
 高座入文。

「復次に舍利弗、彼の國には常に種種奇妙なる雜色の鳥有り。白鵠・孔雀・鸚鵡・舍利・迦陵頻伽・共命の鳥なり。