普く含靈此の方に歸せんことを願ず。衆等心を傾けて皆往かんことを願じて、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。

 高下に接して讚じて云へ。 下高に接して讚じて云へ。

[轉經分 第十一段]
 高座入文。

「舍利弗、南方の世界に、日月燈佛・名聞光佛・大焔肩佛・須彌燈佛・無量精進佛、是の如き等の恆河沙數の諸佛有まして、各々其の國に於て廣長の舌相を出し、徧く三千大千世界に覆ひて、誠實の言を説きたまはく。汝等衆生當に是の稱讚不可思議功德、一切諸佛の護念したまふ所の經を信ずべし。」

 下高に接して讚じて云へ。

願はくは往生せん、願はくは往生せん。南方の諸佛恆沙の如し。亦舌相を舒べて三千に覆ひて、其の本國の凡聖の衆の爲に、釋迦變現の身を讚嘆したまふ。娑婆五濁の内に出現したまふは、心を標して罪根の人を化せんが爲なり。我見・邪貪・增上慢、敎へて世を出でしめんとしたまふに反て瞋を生ず。汝衆生流浪の久しきことを念へ、諸佛の誠言眞ならずと謂へばなり。衆等心を回して淨土に生ぜんとして、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。

 高下に接して讚じて云へ。 下高に接して讚じて云へ。

[轉經分 第十二段]
 高座入文。

「舍利弗、西方の世界に、無量壽佛・無量相佛・無量幢佛・大光佛・大明佛・寶相佛・淨光佛、