p.251 顕浄土真実信文類三(教行信証・信)
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(法事讃)
また云わく、方便の仮門等しくして殊なし、と。
(般舟讃)
また云わく、門門不同なるを「漸教」と名づく、万劫苦行して無生を証す、と。
已上
「偽」と言うは、すなわち六十二見、九十五種の邪道これなり。
言偽者則六十二見、九十五種之邪道是也。
『涅槃経』
(如来性品)
に言わく、世尊常に説きたまわく、「一切の外は九十五種を学びて、みな悪道に趣く」と。
已上
(法事讃)
光明師の云わく、九十五種みな世を汚す、ただ仏の一道、独り清閑なり、と。
已上
誠に知りぬ。悲しきかな、愚禿鸞、愛欲の広海に沈没し、名利の太山に迷惑して、定聚の数に入ることを喜ばず、真証の証に近づくことを快しまざることを、恥ずべし、傷むべし、と。
それ仏、難治の機を説きて、
誠知、悲哉、愚禿鸞、沈没於愛欲広海、迷惑於名利太山、不喜入定聚之数、不快近真証之証、可恥可傷矣。
夫仏説難治機、
『涅槃経』
(現病品)
に言わく、迦葉、世に三人あり、その病治しがたし。一つには謗大乗、二つには五逆罪、三つには一闡提なり。かくのごときの三病、世の中に極重なり。ことごとく声聞・縁覚・菩薩のよく治するところにあらず。善男子、たとえば病あれば必ず死するに治なからんに、もし瞻病随意の医薬あらんがごとし。