すなわちこれを出第五門と名づく、園林遊戯地門に入るなり。
本願力の回向をもってのゆえに、利他の行成就したまえり、知るべし。
無碍光仏、因地の時、この弘誓を発し、この願を建てたまいき。
菩薩すでに智慧心を成じ、方便心・無障心を成じ、
妙楽勝真心を成就して、速やかに無上道を成就することを得たまえり。
自利利他の功徳を成じたまう、すなわちこれを名づけて入出門とすとのたまえり。
曇鸞和尚 大巌寺
婆薮般豆菩薩の論、本師曇鸞和尚、註したまえり。
願力成就を五念と名づく、仏をして言わば、宜しく利他と言うべし。
衆生をして言わば他利と言うべし。当に知るべし、いま将に仏力を談ぜんとす。
如実修行相応は、名義と光明と(に)随順するなり。
この信心をもって一心と名づく。煩悩成就せる凡夫人、
煩悩を断ぜずして涅槃を得しむ。すなわちこれ安楽自然の徳なり。