p.546 一念多念文意
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念仏往生ともうすなり。まったく、一念往生・多念往生ともうすことなし。これにてしらせたまうべし。
南無阿弥陀仏
いなかのひとびとの、文字のこころもしらず、あさましき、愚痴きわまりなきゆえに、やすくこころえさせんとて、おなじことを、とりかえしとりかえしかきつけたり。こころあらんひとは、おかしくおもうべし。あざけりをなすべし。しかれども、ひとのそしりをかえりみず、ひとすじにおろかなるひとびとを、こころえやすからんとてしるせるなり。
康元二歳丁巳二月十七日
愚禿親鸞 八十五歳 書之