琉璃樹には琉璃根・珊瑚莖・虎珀節・白玉枝・車
葉・水精華・銀實あり、珊瑚樹には珊瑚根・虎珀莖・白玉節・銀枝・明月珠葉・金華・水精實あり、虎珀樹には虎珀根・白玉莖・珊瑚節・琉璃枝・車
葉・水精華・金實あり、白玉樹には、白玉根・車
莖・琉璃節・珊瑚枝・虎珀葉・金華・摩尼珠實あり。是の七寶樹轉た共に相成じて、種種各々自ら異行なり。行行自ら相値ひ、莖莖自ら相准じ、枝枝自ら相値ひ、葉葉自ら相向ひ、華華自ら相望む。極めて自ら軟好、實實自ら相當れり。佛言はく。無量淸淨佛の講堂・精舍中の外内に七寶の浴池繞れり、邊上に諸の七寶樹あり。及び諸の菩薩・阿羅漢の七寶の舍宅の中外にも七寶の浴池繞れり、池の邊に七寶樹あり、數千百重行なり。皆各各是の如し。行行自ら五の音聲を作す、甚だ好きこと比無し。佛阿難に語りたまはく。世間の帝王の萬種の伎樂音聲の如きは、遮迦越王の諸の伎樂の一の音聲の好きに如かざること、百千億萬倍なり。遮迦越王の萬種の伎樂の音聲の如きも、尚復第二忉利天上の諸の伎樂の一の音聲の好きに如かざること、百千億萬倍なり。忉利天上の萬種の伎樂の聲の如きも、尚復第六天上の諸の伎樂の一の音聲の好きに如かざること、百千億萬倍也。第六天上の萬種の音樂の聲の如きも、尚復無量淸淨佛國の中の七寶樹の一の音聲の好きに如かざること、百千億萬倍なり。無量淸淨佛國に、亦萬種自然の伎樂有りて極無し。無量淸淨佛及び諸の菩薩・阿羅漢、浴せんと欲する時は便ち各々自ら其の七寶池の中に入りて浴す。諸の菩薩・阿羅漢、意に水をして足を沒さしめんと欲すれば、水則ち足を沒す。意に水をして膝に至らしめんと欲すれば、水則ち膝に至る。意に水をして腰に至らしめんと欲すれば、水則ち腰に至る。意に水をして腋に至らしめんと欲すれば、水則ち腋に至る。意に水をして頚に至らしめんと欲すれば、水則ち頚に至る。意に水をして自ら身の上に潅がしめんと欲すれば、水則ち身の上に潅ぐ。意に水をして轉た復還て故の如くならしめんと欲すれば、水則ち轉た還て復故の如し。恣若に意の所欲好憙に隨ふ。佛言はく。無量淸淨佛及び諸の菩薩・阿羅漢、皆浴し已りて、悉く自ら一蓮華の上に於て坐すれば、則ち四方に自然に亂風起る。