無量壽經優婆提舍願生偈註 卷上
婆藪槃頭菩薩造 曇鸞法師註解
謹んで龍樹菩薩の『十住毗婆沙』
(卷五易行品意)を案ずるに、云く。菩薩、阿毗跋致を求に、二種の道有り。一には難行道、二には易行道なり。難行道は、謂く五濁の世无佛の時に於て阿毗跋致を求るを難と爲す。此の難に乃多途有り、粗五三を言て以て義の意を示す。一には外道の相
修醤反 善は菩薩の法を乱る、二には聲聞は自利にして大慈悲を鄣ふ、三には惡を顧こと无き人は他の勝德を破す、四には顛倒の善果能く梵行を壞る、五には唯是自力にして他力の持つ无し。斯の如き等の事目に觸るるに皆是なり。譬ば陸路の歩行は則苦しきが如し。易行道は、謂く但信佛の因縁を以て淨土に生と願ず。佛願力に乘じて便ち彼の淸淨の土に往生を得。佛力住持して即ち大乘正定の聚に入る、正定は即ち是阿毗跋致なり。譬ば水路に船に乘ずれば則ち樂が如し。この『无量壽經優婆提舍』は盖し上衍の極致不退の風航なる者なり。
「无量壽」は是安樂淨土の如來の別号なり。釋迦牟尼佛、王舍城及び舍衞國に在て、大衆の中に於して无量壽佛の莊嚴功德を説きたまへり。即ち佛の名号を以て經の躰と爲す。後の聖者婆藪槃頭菩薩、如來大悲の敎を服膺
一升反 して、