願はくは往生せん、願はくは往生せん。今施主及び衆生の爲に賢聖を奉請したてまつる、道場に入りて功德を證明したまへ、供養を修したてまつらん。三毒の煩惱茲に因て滅し、無明黑闇の罪皆除こる。願はくは我生生に諸佛に値ひたてまつりて、念念に道を修して無餘に至らん。此の今生の功德業を廻して、當來畢定して金渠に在らん。衆等各各に身心を齊しくして、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。

 下高に接して讚じて云へ。

願はくは往生せん、願はくは往生せん。菩薩聖衆、身別なりと雖も、慈悲・智慧等しくして殊なること無し。身財を惜しまずして妙法を求め、難行苦行して未だ曾て休まず。誓ひて菩提に到り彼岸に登りて、大慈光を放ちて有流を度したまふ。有流の衆生とは我が身是なり。光に乘じて畢命に西方に入らん。衆等身心皆踊躍して、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。

 高下に接して讚じて云へ。 下高に接して讚じて云へ。

願はくは往生せん、願はくは往生せん。今の施主の爲に皆已に十方の諸佛を請じたてまつり、道場に入りたまふ。龍宮の法藏・眞舍利、已に神光を放ちて道場に入りたまふ。羅漢・辟支通自在なり、一念に華に乘じて道場に入る。普賢・文殊・諸菩薩、一切倶に來りて道場に入りたまふ。是の諸の聖衆雲の如くに集る、地上・虚空に量るべきこと難し。各々蓮華百寶の座に坐して、功德を證明し慈光を放ちたまふ。此の如き聖衆に逢ひ遇ふこと難し。同時に發願して西方に入らん。衆等心を齊しくして皆踊躍して、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。

 觀世音を請ずる讚に云く。

觀世音を請じ奉る散華樂 慈悲もて道場に降りたまへ散華樂 容を斂めて空裏に現じ散華樂