火車爐炭十八の苦事一時に來迎す。此の相現ずる時、地下に陷墜して、下隔より上らんとすれば身は華の敷くが如くに下隔に徧滿す。下隔より起る火炎猛熾にして上隔に至る、上隔に至り已りて身其の中に滿てり。熱惱急なるが故に眼を張り舌を吐く。此の人罪の故に、万億の融銅、百千の刀輪、空中より下りて頭より足に入りて出づ。一切の苦事上の説に過ぎたること、百千万倍なり。五逆を具せる者、其の人苦を受けて五劫を足滿す」と。弟子道場の衆等、元身より已來、乃至今身今日に至るまで、其の中間に於て三業を放縱にして、是の如き等の罪を作る。樂行多作無量無邊なり。今佛の阿鼻地獄を説きたまふを聞くに、心驚き毛豎つ、怖懼無量にして慙愧無量なり。今道場の凡聖に對して、發露懺悔す。願はくは罪消滅して、永く盡きて餘無けん。懺悔し已んぬ、至心に歸命して阿彌陀佛を禮したてまつる。
下高に接して讚じて云へ。
懺悔し已りて、至心に歸命して阿彌陀佛を禮したてまつる。
高下に接して懺して云へ。
弟子道場の衆等、曠劫より已來、乃至今身今日に至るまで、其の中間に於て、身口意業を放縱にして、一切の罪を造る。或は五戒・八戒・十戒・三歸戒・四不壞信戒・三業戒・十無盡戒・聲聞戒・大乘戒及び一切の威儀戒・四重八戒等を破し、虚しく信施を食み誹謗邪見にして因果を識らず、學波若を斷じ十方佛を毀り、僧祇物を偸み、婬妷無道にして淨戒の諸比丘尼・姉妹親戚を逼掠して慙愧を知らず。所親を毀辱し、