衆等心を廻して皆往かんことを願じて、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。
高下に接して讚じて云へ。 下高に接して讚じて云へ。
願はくは往生せん、願はくは往生せん。歴劫より已來未だ聞見せず。西方淨土の寶莊嚴、地上虚空に皆徧滿して、珠羅寶網百千重なり。一一の網羅に珍寶を結び、玲瓏雜色にして暉光を盡くす。寶樹の枝條異相間りて、行行整直にして巧に相當れり。此は是彌陀の悲願力なり。無衰無變にして湛然として常なり。衆等心を廻して皆往かんことを願じて、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。
高下に接して讚じて云へ。 下高に接して讚じて云へ。
[轉經分 第四段]
高座入文。
「又舍利弗、極樂國土には七寶の池有り、八功德水、其の中に充滿せり。池の底には純ら金沙を以て地に布けり。四邊に階道あり、金・銀・瑠璃・玻瓈もて合成せり。上に樓閣有り、亦金・銀・瑠璃・玻瓈・硨磲・赤珠・碼碯を以て、之を嚴飾せり。池の中の蓮華、大さ車輪の如し。靑き色には靑き光、黄なる色には黄なる光、赤き色には赤き光、白き色には白き光あり。微妙香潔なり。舍利弗、極樂國土には、是の如き功德莊嚴を成就せり。」
下高に接して讚じて云へ。
願はくは往生せん、願はくは往生せん。極樂世界は廣くして淸淨なり。地上の莊嚴量るべきこと難し。八功の香池流れて徧滿す。底に布ける金沙異光を照らす。四邊の階道一色に非ず。岸上の重樓百万行なり。眞珠・碼碯相映飭し、四種の蓮華開けて即ち香し。