下高に接して讚じて云へ。 高下に接して讚じて云へ。
願はくは往生せん、願はくは往生せん。世尊の説法、時將に了りなんと、慇懃に彌陀の名を付屬したまふ。五濁增の時に疑謗するもの多くして、道俗相嫌ひて聞くことを用ひず。修行するもの有るを見ては瞋毒を起し、方便破壞して競ひて怨を生ぜん。此の如きの生盲闡提の輩、頓敎を毀滅して永く沈淪す。大地微塵劫を超過すとも、未だ三塗の身を離るることを得べからず。大衆同心に、皆所有破法罪の因縁を懺悔せよ。衆等心を回して淨土に生ぜんとして、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。
高下に接して讚じて云へ。 下高に接して讚じて云へ。
[後行分 懺悔]
高座下座の聲の盡くるを待ちて、即ち大衆の爲に總じて懺悔して云へ。
弟子道場の衆等、爾許多の人、各各に心を標して愧謝す。諸佛、冥空に幽顯したまへる得道の聖人、三十三天等の一切の天神・地神、虚空・山林・河海神等、天曹・地府・閻羅・伺命・五道太山・三十六王・地獄典領、一切の靈祇等、及び此の道場の尊經・舍利・形像・靈儀等、唯願はくは大悲光威神もて、今日道場の主某甲、及び爾許多の人、心を披き懺悔するを加備し護念し攝受し證明したまへ。弟子某甲等、無身・有身・無識・有識より已來、乃至今日今時に至るまで、其の中間に於て、所作の身口意業の、十惡の罪無量無邊なり。或は身業を放縱にして、一切の地獄・畜生・衆生・水陸虚空の蝡動の類を殺害し劫奪せること數を知るべからず、或は一切の脩羅・鬼神・衆生・水陸虚空の蠕動の類を殺害し劫奪せること數を知るべからず、