道場散ぜんと欲して人將に別れなんとす。努力して相勸めて貪瞋を斷ぜよ。貪瞋の因縁聖土を障ふ。自ら悟ることを得ずして永く沈淪す。同行相親しみて相策勵し、畢命を期と爲して佛前に到らん。願はくは此の法輪相續して轉じ、道場の施主益々長年ならん。大衆咸同じく安樂を受け、見聞隨喜亦皆然ならん。普く願はくは心を回して淨土に生ぜんとして、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。
下高に接して讚じて云へ。 高下に接して讚じて云へ。
[後行分 行道]
又經を誦し讚を唄ふること已りて、高座即ち一人をして行香して、大衆に與へ行華せしめよ。次に當に讚人等行道の處に向ひて立すべし。又小者をして供養及び如法行道を唱禮せしむ、唱へ已りて其の散華法用一に上の如くせよ。或は三帀し或は七帀し竟りて即ち佛前に當りて立して次に後讚を唱へよ。
高座唱讚し、 下座和して云へ。
般舟三昧樂
願往生 大衆人人皆合掌せよ
無量樂
般舟三昧樂
願往生 道場の聖衆歸還せんと欲したまふ
無量樂
衆等心を傷め共に傷歎して
願往生 唯知りて釋迦の恩を慙謝せよ
無量樂
般舟三昧樂
願往生 悲喜交はり流る深く自ら慶ぶ
無量樂
釋迦佛の開悟に因らずば
願往生 彌陀の名願何れの時にか聞かん
無量樂
般舟三昧樂
願往生 佛の慈恩を荷しても實に報じ難し
無量樂